外壁のフッ素系塗料の特徴とメリット・デメリット

耐候性の高さから人気を集めるフッ素系塗料。

そのほかにも親水性に優れているため汚れにくい、防水性に優れているといったような特徴がありますが、その分価格は高く、大きな建物や橋などに使われることが多い塗料です。最近は一般住宅にも使用されるようになったフッ素系塗料。特徴を知り、自分の家にあった塗料がどうか検討材料に加えてみませんか。

フッ素系塗料の特徴

フッ素系塗料のとは塗料の主成分が合成樹脂で、その樹脂にフッ素が含まれている塗料の事です。外壁塗料の主流であるウレタン系塗料やシリコン系塗料より高価ですが、そのぶん機能性は優れているといわれるフッ素系塗料。まずは、その特徴を見ていきましょう。

🔶耐久性

外壁としっかり密着する性質を持ち、外壁塗装の耐用年数が長いです。ウレタン系塗料の耐久年数は5～8年、シリコン系塗料は8～12年とされるなか、フッ素系塗料の耐久年数は12～15年にもなります。

🔶耐熱性

フッ素系塗料はシリコンより結合力が強く太陽光や紫外線に強いとされています(「耐熱性」とは異なります。)フッ素、ウレタン、シリコンともに耐熱・遮熱性機能を付加した塗料もありますが、同じ遮熱・断熱性塗料の中でもやはりフッ素系塗料が一番耐久性に優れます。元の性能を補充すると考えるといいでしょう。

🔶親水性

水と密着する性能の事です。汚れが付着しても水が接着面に入り込んで、汚れが落ちやすいといった特徴があります。低汚染性、耐候性などともいいますが、最近はさらに技術が進み、「超低汚染性」などと呼ばれたりもします。

🔶防カビ、防藻性

藻やカビが生えにくい性質の事です。藻やカビが生えてしまうと、見た目がよくありません。日当たりがよくない場所や湿気の多い地域の場所は、ぜひとも欲しい性能ではないでしょうか

🔶防水性

耐水性ともいい、水の侵入を防ぎます。外壁からの浸水は家にとって大敵ですし、しっかり守れるものを選びたいですね

これらの高い機能を有するのがフッ素系塗料です。ただしこれらはあくまでも一般的な特徴で、全てのフッ素系塗料に共通するとは限りません。商品ごとに差異があるのでご注意ください。

フッ素系塗料が適した建物は？

フッ素系塗料はビルや商業施設など大きな建物でよく使用されます。大型の施設での塗り替えは費用も時間もかかるますし、構造によっては容易に施工ができない場合もあるでしょう。そのため、耐久性の高いフッ素系塗料が選ばれています。

では、一般的な住宅には向かないのかというと、そういうわけではありません。ただ価格面の問題もあり、一般的な住宅では屋根など限られた箇所に使われることが多いです。

屋根は太陽光や雨の影響が外壁より大きく、劣化も早いです。

そのため、外壁はシリコン塗料やウレタン塗料で、屋根はフッ素系塗料で、というように塗り分けを行います。一般的に、屋根は外壁より面積が小さいので塗り替え費用を抑えることができますし、先に劣化が進む屋根をフッ素系塗料にしておくことで、外壁と屋根の劣化速度を揃える効果もあります。それによって、塗り替えのタイミングを揃えることができます。

最後に気になる価格ですが、フッ素系塗料の価格は3,500円～/㎡程度です。主流のウレタン塗料ならば、1,500円～/㎡程度、シリコン塗料で2,200円～/㎡程度です。やはりほかの塗料と比べると高くなってしまいますね。

フッ素系塗料のメリット・デメリット

価格が高いといえ高性能のフッ素系塗料。メリット・デメリットを比較してみましょう。

🔷フッ素系塗料のメリット

耐久性や耐熱性が高いことは、すなわち塗装の寿命が長いことを意味します。12～15年の耐久性があるので、塗り替えの回数が少なく済み、結果的にトータルコストを抑えられるというメリットがあります。長期的に住む家であれば、費用をトータルで考えれば、1回あたりの塗装費用が「高い」というデメリットも解決できそうです。

そのほかにも、フッ素系塗料の特徴として光沢感があります。艶があるので外観が新築のように綺麗に見えます。見た目の綺麗さは、住むうえでの気持ちよさも得ることができますよね。

🔷フッ素系塗料のデメリット

何度も触れていますが、価格が高いことが難点です。トータルコストから見れば高くなくとも、まとまった工費の負担が重い、という家庭も多いでしょう。また、艶なしのフッ素系塗料はありません。一般的には魅了的な艶ですが、好みにもよりますし、和風建築物との相性が悪い場合もあります。また、一度フッ素を塗装するとその結合力の強さにより次の塗装をする際に特別な下塗りをしないとその結合力があだとなり塗料をはじくのでシリコン塗料などより費用が掛かるという欠点があります。

以上のメリット・デメリットから、家を長持ちさせたい人、長期定期に考えてコストを抑えたい人、光沢のある質感が好みの人におすすめの塗料といえそうです。

フッ素系塗料の活用法と注意点

フッ素系塗料は高価なため、予算に合わせて使用する部位を考える必要があります。一般的には先に記述したように、劣化しやすい屋根に使用するのがオススメ。フッ素加工なら防水性も優れているので、雨からのダメージも守ってくれるでしょう。

もし外壁を重視するのであれば、外壁にフッ素系塗料を使用するという選択肢もあります。フッ素系塗料の光沢は新築のようにきれいな外観を生み出してくれるでしょう。また、親水性も優れている為汚れにくく、外観を綺麗に保ちたいと考えている場合には、フッ素系塗料を使用するメリットは大きいでしょう。

ただし、いくら高性能のフッ素系塗料でも、建物や屋根そのものの耐久性を伸ばすことはできません。もし、建物自体の寿命が短い場合や、数年後に建て替えの可能性が大きいという状態であれば、シリコン系塗料やウレタン系塗料を選択した方がいいかもしれません。

業者選びには注意しよう

価格の高いフッ素系塗料ですが、一般住宅で使用されるようになって日が浅いため、塗料のノウハウがない業者もいます。中には「フッ素系塗料ははひび割れしやすいから扱いません」という業者もいるそうです。確かに、フッ素系塗料はほかの塗料に比べると弾性は弱いとされていますが、弾性タイプのものを選べばひび割れを軽減できる場合もある為、依頼する業者に確認してみましょう。

またノウハウ以前に、そもそも下処理が適切にできていない、塗る方が雑である、といった施工ではなくせっかくのフッ素系塗料も実力を発揮することはできません。しっかりと信頼できる業者で、かつ、フッ素系塗料の知識や技術を持った業者を選びましょう。

大手メーカーで主なフッ素系塗料

高価なフッ素系塗料だかの主なフッ素系塗らこそ、信頼できる商品を選択したいですよね。大手のメーカーの主なフッ素系塗料は以下の３つです。

①日本ペイント：ファイン4Fセラミック

②エスケー化研：クリーンマイルドフッソなど

③関西ペイント：アクスアクアセラフッソなど

上記が日本の3大塗料メーカーです。どれも高性能で、通常よりも汚れに強い「超低汚染性」「防藻・防カビ性」を備えています。耐久性が高いのはもちろん、ひび割れに強い「高弾性」もありますし、艶の種類も複数の段階から選ぶことができます。インターネットサイトの商品詳細も充実しているので、興味がある方は一度覗いてみてはいかがでしょうか？

ただ、値段や工法は、面積や外壁の状態によって変わってくるので、最終的な決断は、業者とともに決定するといいでしょう。

メリット・デメリットを見極めて塗料を選択しよう

フッ素系塗料は高価ですが、その分耐久性や美観性に優れるなどメリットがあります。総合的なコストをとるか、一回の施工単価を抑え、定期的な塗り替えをするかは人それぞれですが、どちらにせよ外壁の塗り替えは決して安くありません。メリット・デメリットを見極めて塗料を選ぶようにしましょう。

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